バスの中での出来事(2)
私は13年間勤めた会社に、毎日バス通勤をしていました。
私の借りていた部屋のある町から、会社までは普通だと30分で行けるのですが、朝の通
勤ラッシュ時には45分から50分かかっていました。始発から4つ目のバス停から乗ってい
くのですが、いつも乗客は多く、座席に座れるとラッキーで、乗車口の手すりみたいなところ
につかまって、ずっと立ったまま行くこともありました。(途中で座れることが多かったのです
が…)
帰りも朝と同じような状況です。
ところが、その日は同じ路線のバスが1分くらいしか間をおかずに停留所にきました。(た
ぶん、前のバスが渋滞か何かで大幅に遅れたのでしょう。)いつもに比べるとずいぶん空い
ていました。私は真ん中の乗車口から乗り、すぐそばの座席に座りました。私が座った座席
から前の方には7,8人の乗客がいて、左隣に1人、後ろの方には私の座席のすぐ後ろに1
人だけでした。
バスが走り出して2,3分くらい経った時 (ん?何だ??) と…。
お尻の付近に違和感を感じたのです。最初は何か分からずに (ん、ほんとに何だ?)と…。
何か分からないまま私はお尻を前に少しずらしました。と、それが追いかけてきたのです。
(手だーーー!) (エッーーーーーーーー(@_@;)
そのバスは、座るところと背もたれの間にすき間のあるタイプの座席を使用していて、その
すき間から手が伸びてきていたのでした。
(ち、痴漢だーー! エー、こんなに空いているバスなのに?? ど、どうしよう(*_*;)
(いったい、どんな奴だ?)
と思い、首をちょっと斜め後ろの方に向けました。チラッと学生服が見え、荒い息づかいが耳
の後ろの方でしました。
その時、私は20代最後の頃でした。そのまますっと席を変わることもできたのですが、そう
したらその子がかわいそうかなぁと思ってしまったのです。(甘いかな?) 私の左隣には5,6
0代くらいのおばさんも座っていましたし…。
(何で?こんな公共の場で…… とにかく早く終わってー)
と願いつつ、じっとそのままの状態でいました。その手はただお尻に触れているだけで、それ
以上の行動はありませんでした。
時間にすると、何分くらいだったでしょうか?それほど長くはなかったように思います。
やがて、その子は自分の降りる停留所で降りていきました。
私はそれまで痴漢といえば【満員電車】というイメージがあり、鹿児島の田舎街には無縁の
(自分にも無縁の)ことだと思っていたので、それを覆された出来事でした。
あなたならどうしますか?やっぱり私は甘かったのでしょうか?
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