「血液型は?」 「O型です!」 「エッ?!」
「ねぇー、みっちゃん、一緒に献血に行こう」
私が29歳の時、会社の近くに献血車がきて、仲の良い同僚に誘われました。
「えー、私、献血したことないからイヤダー」
「えっ、1回もしたことないの?だったらなおさら初献血ってことで一緒に行こうよ」
「でもぉ……」
と渋っていると、
「わかった!みっちゃんさぁ~、ほんとは怖いんでしょ?そうでしょ?」
「そんなことない!ただ血を採るだけでしょ!わかった、一緒に行こう!」
8つ年下の同僚の作戦にまんまとひっかかってしまった私は、しぶしぶ献血車へと向かったのでした。
献血車の中に入ると、最初に【血液検査】がありました。少量の血を採り、検査する人が下を向き、血液を調べながら、
「○○さんは何型ですか?」
と質問しました。
「はい、O型です!!」
私はきっぱりと大きな声で言いました。
「エッ??」
びっくりしたように、ぱっと顔を上げた検査官から出た言葉は
「○○さんはA型ですよ!」
「エッーーーーーーーーーーーーーーーー\(◎o◎)/!」
今度は私がビックリ!
今まで自分はO型だと思って、本とかの血液型占いでもO型のところを見て
《けっこう、当ってるなぁー》と思っていたのに…
ショックを受けながらも採血に行こうとしている私を、献血車の隅っこに待機していた60代位のお医者さんが
「そこの人、ちょっと来てごらん」
と呼び止めました。
「あんたは本当に40キロあるね?」
と聞かれ、助手みたいな人に
「ちょっと体重計を持ってきてごらん」
と命令し、体重計に乗せられました。結果は……ピッタシ40キロ。
「気分は悪くないね? まぁー大丈夫だろう」
やっと献血するお許しが出ました。
看護婦さんが針を刺し、初めての献血開始です。
なんせ、初めてのことで内心ドキドキしてました。時々、看護婦さんが
「大丈夫ですか?」
と声をかけてくれました。
「はい、大丈夫です」
最初のうちはそう答えていたのですが……
何ccぐらい採った頃でしょうか。だんだん頭のほうから血の気が引き、冷た~くなってくるのが自分でわかりました。
《ヤ、ヤバイ!(・_・;) 》 冷たさは眼のあたりまできていました。
「す、すみません、やめます!」
看護婦さんにそう言って針を抜いてもらいました。
「大丈夫ですか?」
と気づかう係の人に
「大丈夫です。自分で歩けますから」
と言い、献血のお礼のジュースも2個もらって(普通は1個)仕事部屋へ戻りました。
すると、
「ふふふ、みっちゃんさぁーA型だったんだってー?」
「何で知ってるの?」
「一緒に行った子が早速報告しに来たわよ。楽しそうにしゃべっていったよ」
その当時、会社には80人くらいの社員がいましたが、ほとんどの人がこの出来事を知っていて、私はしばらくの間、会う人ごとに
「みっちゃん、A型だったんだって~!何でまたO型だと思ってたの?」
と聞かれる始末でした。
今でも、その時一緒に献血に行った子とは仲良くしてますが、
「みっちゃんは私に感謝しなきゃね。私があの時誘わなかったらずっーとO型だと思ってたんだよ」
たぶん、一生言われることでしょう(~_~;)
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